🏠 気密って、実は「設計」より「人の手」
住宅性能の話になると、
断熱材やサッシ、換気システムなど“設備の話”が中心になります。
でも実は、家の気密性能を左右しているのは、
図面でも素材でもなく、“人”なんです。
どれだけ良い設計をしても、
どれだけ高性能な断熱材を使っても、
現場での施工が乱れてしまえば、その性能は一瞬で崩れます。
つまり、**「気密性能=大工さんの腕」**なんです。
📏 C値0.3と1.5の違いは“現場の意識”
気密を数値化したものを「C値」と言います。
この数字が小さいほど、隙間の少ない家=高気密。
同じ図面、同じ断熱材を使っても、
大工さんの施工精度ひとつでC値は大きく変わります。
たとえばC値0.3の家と1.5の家。
見た目はどちらも同じように見えますが、
その中身はまったく別物です。
床の気密テープをどこまで丁寧に貼るか。
サッシまわりの気密テープをどう処理するか。
細部を“気密ライン”として意識できているか。
この積み重ねが、「0.3」か「1.5」かの違いを生むんです。
🔍 図面ではなく、“手”で守る性能
ピースホームでも、C値0.3以下の施工実績があります。
でも、それを毎回出せるのは、経験を積んだ職人さんがいるから。
気密施工は、ただ丁寧にやればいいというものではありません。
どこで空気が漏れるかを“感覚でわかっている”大工さんじゃないと、
数字を安定させることは難しい。
だからこそ、僕はいつもお客様にこう話します。
「気密を語るなら、誰が現場を仕上げるかを見てください」
気密は設備ではなく、“人の技術”です。
この部分を軽く見てしまうと、
どんなに性能が良い断熱材でも“意味が半分”になってしまいます。
💬 気密測定は“職人の誇り”
気密測定をすると、現場に独特の緊張感が走ります。
職人さんも「今回はどうだろう」とドキドキしている。
でも、僕はそれがいいと思っています。
数字で“仕事の精度”が出るからこそ、次への自信になる。
気密測定は、ただの検査ではなく、チーム全体の確認作業です。
ピースホームでも、案件ごとにお客様の希望やコストに応じて
測定の有無を決めていますが、
やると決めた現場は“職人全員が本気”になります。
現場がピリッと引き締まるあの空気感。
あれが、いい家づくりには欠かせない。
🧠 高気密=快適のための基礎
「気密ってそんなに大事?」
そう思う方もいるかもしれません。
でも、気密が悪いと暖房の熱が逃げてしまい、
冷気が床や壁から入り込んでくる。
どんなに高断熱でも、空気が抜けていたら意味がないんです。
気密が高い家は、温度ムラが少なく、
空調の効きも良くなります。
つまり、省エネでありながら快適な暮らしにつながる。
これは“数値のための気密”ではなく、
“人のための気密”なんです。
🌿 まとめ:図面よりも“現場の空気”を見てほしい
UA値や断熱等級も大切。
でも、その性能を形にしてくれるのは“現場の手”です。
ピースホームでは、設計と施工が分離せず、
社内で性能と品質を一体で管理しています。
現場で気密を追い込むのは、図面ではなく職人の経験。
その“見えない努力”が、家の心地よさを支えています。
性能を語る前に、
「誰が建てるか」を見てほしい。
それが、本当に快適な家づくりへの第一歩だと思います。

