こんにちは、河野です。
床材って、毎日必ず触れる場所ですよね。
裸足で歩いたり、子どもが寝転んだり、家族が集まって過ごすリビングの中心だったり。だからこそ仕上げ方ひとつで、暮らしの快適さや空気感が大きく変わります。
今日はちょっとマニアックですが、**「もみの木フローリングの貼り方」**についてお話ししたいと思います。
📏 普通のフローリングは「目地をそろえる」
一般的なフローリング施工では、目地(板の継ぎ目)を等間隔でずらしながら張っていくのが基本ルールです。
例えば1枚目を1mでカットしたら、次の段は50cmでカットしてスタート…といった具合に、あえてリズムを作っていきます。
この理由は、
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強度を安定させるため
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見た目に一定のリズムを持たせるため
とされています。だから多くの家では、床を見下ろすと綺麗にレンガのように目地が揃っているのが普通です。
🌲 もみの木は「目地を合わせない」
ところが、ピースホームの「もみの木フローリング」では、あえて目地を合わせない貼り方をしています。
「えっ、それって雑に張ってるんじゃないの?」と思われるかもしれません。
でも実はこれ、**もみの木の特徴を最大限に活かすための“職人の知恵”**なんです。
💡 なぜ目地を合わせないのか?
理由は大きく3つあります。
① 高価な床材を無駄にしない
もみの木は自然素材であり、さらに無塗装・柾目の高品質な材。
一般的なフローリングに比べると価格も高めです。
そのため、端材をできるだけ出さず、一本一本を家の中に余すことなく使い切ることが大切になります。
等間隔の目地にこだわって無駄にカットするのではなく、材を活かして張ることで、コストにも環境にもやさしい施工ができるんです。
② 柾目だから整って見える
もみの木フローリングは「柾目」と呼ばれる、木目がまっすぐに通った材を使っています。
板目のように波打つ模様がなく、均一でスッとした表情が特徴です。
だから目地をランダムにしても、不思議とガチャガチャ見えないんです。
むしろ自然に整った印象を保ちながら、全体として柔らかいリズム感が出てきます。
③ 自然さを表現するため
「自然素材の家」って、そもそも人工的な“均一さ”を求めるものではありません。
あえて目地を揃えず、木のありのままの長さを活かして張ることで、素材そのものの自然さを空間の中に表現できます。
暮らしている人にとっても、「木と共にある」感覚が生まれるんです。
👀 実際にどう見えるの?
実際に完成した床を見てもらうと、まず「目地が揃っていない」と気づく方はほとんどいません。
それくらい自然で美しく見えます。
ランダムに張られているはずなのに、柾目の整った木目が空間全体にスッと広がるからです。
お客様からも「落ち着く」「柔らかくて気持ちいい」と言われることが多いのですが、その裏にはこうした“見えない小技”が隠れています。
🏠 ピースホームが大切にしていること
僕たちが重視しているのは、**「自然素材をどう扱うか」**という部分です。
もみの木の床は、ただ張れば良いというものではありません。
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端材を減らして素材を余すことなく使う
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木目の特性を理解して施工する
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ランダムさを「自然さ」として活かす
こうした職人の工夫があって初めて、「空気の質が違う」と感じられる家になります。
✨ まとめ|目地を合わせないのも“技”
普通のフローリング=目地を揃える
もみの木フローリング=あえて目地を合わせない
この違いは単なる施工ルールの差ではなく、自然素材を活かすための知恵です。
高価な材を無駄なく使い切り、木目の整った美しさをそのまま表現する。
その結果、暮らす人にとって「自然に包まれるような空間」が生まれるんです。
家づくりではなかなか気づかれない部分ですが、こうした“小技”こそ毎日の心地よさにつながる大切な要素だと思っています。